2010年9月8日水曜日

仕事遍歴(39:夜間の雲観測)

9月8日(水曜日)
 写真は大先輩(U氏)から情報提供頂いた雲の写真です。上空の風の強いところに出来る雲(レンズ雲)ですが、めったに見られるものではありません。
 ところで小生が、室戸岬測候所で気象観測の手ほどきを受けたことは数回お知らせしましたが、観測の基本が出来てから次第に条件の異なる時の観測を教わることになりました。その一つが夜間の観測です。視程観測は前回記載しましたので、今回は雲の観測です。
 夜の雲はそのほとんどが昼間のようにはっきりと確認出来ませんが、頭の中には地上天気図を描き、先輩から<このような所にはこのような雲が出易い>とのアドバイスと共に観測をするのです。まず観測10分ほど前に外に出て暗闇に目を慣らします。星が見えるようであれば雲がないか薄い上層系の雲が、星や月の周りがぼんやりしていれば薄い上層系か薄い中層系の雲が、何かの光に反射してやや白く見えれば積雲系の雲が、など・・・。また他の諸先輩からも、違った角度からのアドバイスを受けます。
 雲の観測は<10年ほどしないと完全ではない>と言われるほど難しく、またそれぞれの地域で発生する雲の種類も違うのです。
 写真のような特殊な雲は、月明かりの時だけしか観測出来ないのです。
 今では夜の歯磨きの時、「この雲は上層系の雲だ」とか、「いやに発達した雲だなあ!」、「明日は雨かもしれない」などと、昔を思い出しながら眺めています。(桜54)

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