2012年10月2日火曜日

仕事遍歴(36:東予のやまじ風)

10月2日(火曜日)
 台風は足早に日本列島を南から北へと通過し、その後各地とも天気は急速に回復しました。
 さて天気は各所でいろいろと変化するものですが、この天気変化を起こす一因に地形があります。この地形によって各地では災害をもたらすような風(局地風)の吹くことがあるのです。
 日本三大局地風(悪風)と呼ばれる強風には、山形県の<清川だし>、岡山県の<広戸風>、そして愛媛県の<やまじ風>があげられます。このやまじ風について少し調査をした事があります。
 やまじ風は、日本海に低気圧が入って発達した場合によく発生し、土佐湾に南からの風が入って湾により収束(集まり)され、四国山地を越える時狭い谷筋によりさらに収束されて、法皇山脈を越えると一気下り、四国中央市(旧伊予三島市を中心とした地域)付近で強風が起こる現象です。
 小生が昭和62年に松山地台の予報官だった頃この強風が吹いて、山頂付近にあった数十メートルの送電鉄塔が数本折れたことがありました。
 すぐさま当時の職員が現地に赴き調査を開始しました。やはり現地では<やまじ風>と恐れられた局地風が吹いたのです(竜巻ではありませんでした)。
 当時発表した注意報にも強風が吹くことは<東予ではやまじ風が吹くと>明記していたのですが、これほどまで強風が吹くとは誰も想像がつかなかったのです。十数年に一度の災害でした。
 今のような電子計算機での細かい予測はありませんでしたので、なお詳細な予報が出来なかったのです。その後度々これに関する調査研究がなされました。(桜54)

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