7月21日(月曜日)
台風第23号は次第に高知県東部に向って、第2室戸台風と同じようなコースをたどっている。
小生は昭和40年9月10日早朝(00時)からの勤務に付いた。まだ風は強くはなかったが02時過ぎてから次第に風が強くなり、03時に瞬間風速38m/s、06時過ぎには50m/sを突破、0830過ぎ吹き返しの暴風では77.1m/s(最大風速は69.8m/s=日本最高記録)に達した。またレーダーではこの台風の目に入った(一瞬青空が)のを確認。このため仕事場のガラス数十枚の破損(後で鉄板で補強)、山頂の宿舎屋根飛散、下の宿舎屋根飛散など。また職場の通信機器不能、露場(観測機器設置場所)周辺の木々は根こそぎ倒木、マンホールのふたが飛ぶ、レーダーアンテナの回転一時不能など暴風による被害は甚大だった。
小生が観測に付く頃から急激に気圧が下がり、06時過ぎには最低気圧946mb(hPa)を記録した。報道陣も180mの職場まで重い機材を(徒歩で)運び、共にこの悲惨な被害を体験した。
当時の職員は誰もが緊張し、普段ならば会話も弾むが、風が強くなり通信機器不能となれば次第に会話がなくなり顔色も悪くなった。職場のガラスが割れ職場内にも強風が舞い込むと殺気立った空気に変わり、同僚の一人は一瞬気を失ったこともあった。
台風第23号は高知県安芸市付近に上陸し、大阪市付近を通過し日本海に抜けた。各地で暴風による被害が出たが、小生としては室戸岬の印象しか残っていない。(桜54)
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