2011年4月9日土曜日

仕事遍歴(16:経験と体験)

4月9日(土曜日)

 小生たちの職場では<経験>を必要とする職場でした。しかし近年では<誰でも>、<経験がなくても>といったような職場と化しつつあります。

 小生が職場(気象庁)に入庁してから直ぐに教わったのは、<気象観測技術>と<送信技術>でした。

 気象観測技術は職場にとって欠かせないもので、測定の方法から、雲の種類、地震観測、数字の書き方など多方面に渡っていました。また送信技術は、観測した数値を上部官署に送信するもので、当時はモールス信号を用いていましたので技術習得は必須だったのです。

 そういった技術をほぼ3カ月間みっちりと仕込まれたので、ようやく半人前の<技術員>から<一般職員>へ昇任しました。いわゆる独り立ちしたのです。

 しかし観測技術はそれが終わりではありませんでした。全ての技術習得には、最低10年はかかると言われていた時代です。よってその当時の技術者は、観測技術を身体に叩き込まれましたので、今でも観測技術や送信技術は、知らず知らずのうちに出てくるのです。

 一方<体験>の方は、一時的にその技術等を経験することなので、身体へのしみ込みはほとんどありません。また数年後振り返ってもその印象すら無いこともあるのです。

 今回の<東日本大震災>時の地震は、経験者によってはかなり先を読む力もあったのではないでしょうか?小生もあちこちで地震経験(体験)をしていますので、概ね震度と被害の関係は分かるのです。

 皆さんも<体験>は必要ですが、いろいろと<経験すること>が重要ではないでしょうか?(桜54)

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